幼い頃から馬が生活の一部として育った今川和男による油彩画です。
美しさだけでなく厳しさも知り尽くした馬を、繊細かつ力強いタッチで描いています。
今川 和男 | いまがわ かずお |
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時代 | 1940年(昭和15年)~ |
今川和男は戦争中の1940年に青森県八戸市で生まれ育ちます。
寒さも貧しさも特に厳しい農村で、ほとんどの家は農耕馬を飼いその世話は子供の仕事でした。
家の中でも土間を挟んだ向こう側に馬がいたので、馬と同居している状態です。
馬の世話は嫌々でしたが、大人しい農耕馬に乗って遊ぶなど慣れ親しんで育ちました。
戦後の復興期に入ると、かつては軍馬の飼育が盛んであった土地柄もあり、サラブレッドの繁殖が農家の副業として広がり始めました。
今川和男は中学生の頃からサラブレッドの面倒を見ることになります。
よい仔馬は平均収入の2年分で売れ、逆に病気や死なせると破産というリスクが伴ったので、自分よりも馬優先で世話したそうです。
繁殖牝馬は騙されて買ってしまった育児放棄癖のある白いサラブレッドでしたが、幸いにも次々に白い仔馬を産み、今川和男が東京で学ぶ大学費用を稼いでくれました。
武蔵野美術大学の油絵科に進み、卒業制作では馬を題材として制作した作品『馬と人』が大学買い上げとなり、1963年 主席卒業しました。
今川和男が地元青森を離れたのはこの大学の4年間のみとなります。
卒業後は青森で中学の美術教師をしながら制作を続け、この頃にはサラブレッドの繁殖業は儲からなくなり今川和男の家でも辞めてしまったそうです。
それでも馬との思い出を蘇らせて描かれる油彩画は人々の心を惹きつけました。
1973年に教師を辞めアトリエを構え画家に専念し、昭和会展 招待出品、安井賞展 入選、日仏現代美術展 国内賞佳作など多くの受賞を重ねています。
近年も青森県八戸市を拠点として、2021年は個展『5人の学芸員と今川和男展』を開催、2022年には八戸市美術館のアーティストトークに登場の他、『夏の小作品展』を開催するなど、80歳を超えてもなお精力的に活動中です。
戦後世代の画家は東京に出て有名になる、というのが定番でしたが、今川和男は当時とても珍しく郷土にこだわった画家であり、大学4年間以外は青森に住んでいます。
東京から離れた遠隔地であったにも関わらず、数々の受賞でその存在を示しました。
自然豊かな青森での風土と日常には題材は尽きないそうです。
モチーフは代表格である馬の他、地元の自然やヨーロッパの街並みなどの風景画にも取り組んでいます。
2011年の東日本大震災の後、自分にできることを自問し「やはり絵を描き続けることしかないと制作に励んだ」と語り、明るく癒しを与えるような作品を制作しました。
2019年からのコロナ禍では平穏な日々を願って描いたアマビエの絵がかわいいと評判になり、今川和男アマビエ展(2020年)を開催しています。
移りつつある時代に今川和男の優しさと人柄の良さが作品に出ているのかもしれません。
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