写真の男性用腕時計は、いわの美術でお買取りした1963年製造シチズンのクロノメーター 31石 100ミクロン総金張り(AGF)です。
製品名 | クロノメーター 31石 |
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製造発売 | シチズン |
製造年 | 1962-1966年 |
ムーブメント |
手巻機械式ムーブCal.04000 パワーリザーブ53時間 |
シチズン製クロノメーター 31石は当時のシチズンの技術の象徴としてコスト度外視で製造された究極の腕時計です。
その外装と内部の機械ともに最も美しい国産腕時計のひとつと言われ、絶対的な人気を誇ります。
シチズンがクロノメーターを発売したのは、1962年でした。
当時の日本は高度経済成長期であり、日本の技術が世界に追いついた頃でもあります。
SEIKOが1960年に発売したグランドセイコーに対抗する為にクロノメーターが作られたと言われています。
組み立ては工場ラインではなく、1つの時計に対し1人の職人が1日かけて製造したそうです。
製造期間は1962年から1966年までと非常に短く、さらにグランドセイコーに比べて価格設定が高かったためあまり流通せず、それゆえに現在は中古市場でも希少価値が高い腕時計です。
製造期間が短かった背景には、『スイスクロノメーター優秀級』社内合格として『CHRONOMETER 』表記をしたものの、国際的には無許可であったことが挙げられます。
裏蓋には「鷲」のゴールドメダリオンが埋め込まれており、こちらもグランドセイコーの「ライオン」に対抗した物だと考えられますが、息を飲む美しさと格調高い仕上がりで、未だに熱狂的なファンが多いメダリオンです。
シチズン製品に「鷲」が使われたのはこのクロノメーターが初めてであり、その後シチズンのフラッグシップモデルにも最高級のシンボルとして登場しています。
機械の部品同士の接触で磨耗しやすい箇所に、ダイヤの次に硬度の高いルビーを使用しており、31石とはその数を示したものです。
右の写真の中に見られる小さなピンクのクリスタルのような部分がルビーとなります。
宝石(ジュエル)と呼ばれるものの人工ルビーなので宝石としての価値はないのですが、沢山入っているほうが高級というイメージが浸透しており、また機械に埋め込まれた無機質な美しさも相まって、現在も多石モデルが高価取引されているようです。
精度向上の為、時計の心臓部ともいえるテンプは世界最大級の物が使われました。
そしてゼンマイも強力で保持時間は53時間と驚異的でした。
圧倒的な美しさに加え、精度とスタミナも備えたシチズン クロノメーカー 31石は、国産アンティーク腕時計の中でも最上位と言える逸品です。
いわの美術ではシチズンのクロノメーター 31石をお買取りいたしております。
こちらはコレクションの整理をお考えの方、又は引っ越しや遺品整理で出てくることがあるかもしれません。
今回いわの美術でお買取りのシチズン クロノメーター 31石は、いくつか傷が見られましたが、現存するクロノメーカーの中では非常に稀な良い状態であり、保証書・付属品付でしたので高額でお買取りいたしました。
シチズンのクロノメーター 31石は多少の痛みがありましても、お買取りが可能な物もあります。
いわの美術には時計お買取りのスペシャリストが在籍しておりますので、一度ご相談下さいませ。