写真のお品物は以前いわの美術でお買取りいたしました、 河本正の日本画「長閑」です。緩やかな時が流れる澄明さ溢れる逸品です。
河本正(かわもと ただし)は大正11年に兵庫県で生まれました。戦前の日本画壇の代表的人物であった川端龍子に師事して日本画の道に入り、穏やかな色調と霞や霧の美しい濃淡のある風景画を得意としています。
師である川端龍子は洋行後に洋画から日本画へ転身した異色の経歴と、日本芸術院同人を辞し青龍社を起こすに至った豪放磊落な作風の持ち主です。
師と作風こそ異なるものの、河本もまた作品の題名に特定の地名を冠さない、抽象画に近い存在としての風景画を多く残し、独自の作風を築きました。
固有の風景よりも朝靄や夕暮れなど、四季折々の山野など日本に偏在する景色を描き、幻想に満ちた風景画は見る者に安らぎの時間をもたらします。
一見象徴的な画面は西洋風景画にも近いものを感じますが、自然のもつ色や形の美しさをほどよく図案化する手法は日本画的であると言えます。
青龍会展春季展で入賞したことを契機に作品の評価が高まり、県知事賞や三鈴賞なども受賞します。師の逝去により青龍会が解散したあとは日府展に参加し、1990年頃に創日会審査員と顧問を務めるようになり、2000年には日府会副理事長に就任し、日本画界の重要人物になりました。
安定した作風で多くのファンを魅了し続けましたが、惜しまれながらも2014年に逝去しました。
今後ますます評価が高まることが期待できる作家の一人です。
河本正の日本画作品は、とくに写真のお品物のような緑と青を基調とした風景画が人気となっており、中古市場での需要から高評価でのお買取りが期待できます。そのほか富士山を描いたものも安定した人気があります。
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