写真のお品物は、以前いわの美術でお買取りいたしました、クリプシュのスピーカー
「KG4.5フロアスタンディングスピーカー」です。
ブックシェルフ型の普及版スピーカーが人気を席巻する昨今でも、背の高いフロアスタンディング、トールボーイ型スピーカーは熱心なオーディオファンに根強く支持されています。
クリプシュ社は1946年にアーカンソー州ホープにて、アメリカで最初のオーディオメーカーとして設立されました。
創業者のポール.W.クリプシュは修理工時代にコーン型とホーン型のスピーカーを比較してホーン型の効率性能を発見し、スタンフォード大学院に進学したのち第二次大戦前の兵役中から私物スピーカーの改良を始めます。
1938年にはクリプシュホーンの試作を開始し、起業以前から長く独自の研究を重ねていました。
ポール.W.クリプシュは当時のオーディオの音質に満足できず、劇場で聴くオーケストラの音質と臨場感を自宅で再現できるオーディオを目指し、電気工学に関する知識と技術を結集します。
1946年に最初のホーンスピーカーの設計を仕上げ、特許を授与されると軍事試験場の電話交換所を改装した工場にて手作りで製造を開始しました。
その後も現在発売されてるシリーズに繋がるハイエンドスピーカー各種、In-Wall、Heritage、Commercial、THXUltra2、Palladiumや一部のReferenceスピーカーなどは、すべてインディアナポリスにある工場で手作業で作り上げられました。
この製造環境は長い間クリプシュの品質を保つ基盤となり、クリプシュのスピーカーは全米の劇場導入1位を長く誇り、ハードロックカフェの公式スピーカーとなっています。
ポール.W.クリプシュは2000年に退任し、2002年に98歳で天寿を全うするまで永くオーディオ業界に帰依しました。
完璧主義で生涯に23もの特許を取得した彼の業績は米国音響学会の栄誉である銀メダルの受賞や、栄誉あるオーディオ・エンジニアリングとサイエンスの殿堂に殿堂入りするなど歴史に残り、クリプシュ社は現在も高品質オーディオの金字塔となっています。
KG4.5フロアスタンディング・スピーカーは1994年から1997年にかけて製造・販売されました。
ツイーターにはクリプシュ独自のTractrixホーンドライバーが搭載され、シングルウーファーには独自素材のセラメタリックコーンが使用され、堅牢さと低音域の豊かな出音を特徴としています。
またクリプシュのスピーカーは高能率であることも特徴の一つで、小さな音量で聴く場合でも音数豊富に細やかな再現性に溢れ、通常の住環境などでの音楽鑑賞に非常に適することも人気の一端となっています。
発売から20年以上が経ちビンテージ・スピーカーに区分されますが、長年愛用するオーナーも多く、最新のハイレゾ音源などの再生にも十分耐えうるスペックを備えていると言えます。
KG4.5の基本構造は、現行モデルではリファレンスシリーズに継承され、こちらも人気のモデルとなっています。
写真のお品物は、前面のスポンジネットと左側の下部に若干の傷などが見受けられるものの、現在では貴重なKGシリーズでありビンテージとして今後人気が高まる見込みから高評価でのお買取りとなりました。傷等ダメージが少ない状態ですとより高値が期待できます。
いわの美術では骨董品・美術品を中心にお取り扱いしておりますが、フロアスタンディング型スピーカーは高額な品が多く、中古市場では盛んにお取引があるため、いわの美術でもお買取りを強化しております。
またご自宅やご実家などのお片付け、遺品整理などでオーディオ機器以外にもご売却をお考えの美術品のほか、カメラなどがございましたら、合わせてのお買取り・査定も可能です。
お申し込みはお電話のほかメール・LINEにて受付しております。
その際お写真をお送り頂きますと、お品物の状態・品番等により査定価格を事前にお伝え可能となりますのでご利用をご検討くださいませ。
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