いわの美術で先日お買取りいたしました、孫六兼元の短刀をご紹介いたします。
兼元は室町時代から現在まで27代続く名門であり、村正・虎徹・正宗などと並んで知名度の高い刀工のひとつです。
孫六兼元(まごろく かねもと)は兼元の2代目にあたり、抜群の切れ味で知られ、戦国から江戸にかけて重用されました。
こちらのお品物は長さ25センチ余りの短刀ですが、業の良さが窺える逸品として高評価にてお買取りいたしました。
現在の岐阜県関市では室町時代から刀鍛冶が発展を遂げました。
鎌倉末期に名工・五郎正宗の弟子であった金重とその子孫が開いた大和鍛冶の一門が関市に移住して始まったと考えられています。
1392年の南北朝統一後、刀職人たちは鍛冶仲間の自治組織として鍛冶座を形成しました。
鍛冶座に所属する「善定」、「奈良」、「三阿弥」、「徳永」、「得印」、「良賢」、「室屋」の7つの流派が独立しながら合議制を保ち、それぞれ生産から販売を内部統制することに成功します。
美濃国も新東海道が通ったことで交通の要となり、町の発展とともに刀鍛冶技術もさらに発展を遂げ、美濃伝と呼ばれる技術となりました。
初代兼元は室町時代、現在の岐阜県赤坂市で、清閑兼元によって始まりました。
清閑兼元の祖父は関七流の三阿弥兼則で、兼元は関七流の系譜を受け継ぎながら、次の2代目・孫六兼元のときに知名度を上げます。
孫六兼元は優れた技量をもち1504年から1521年にかけて活躍し、和泉守兼定と並んで美濃国の2大名工となり、名刀として後世に受け継がれる刀剣を多数残しました。
江戸時代の山田浅右衛門5代吉睦が刀工の分類をまとめ「懐宝剣尺」として上梓した中でも、孫六兼元は最上大業物として最高ランクに位置付けられ、実用を重んじた美濃刀工の系譜に倣った剛健な刀とされています。
孫六兼元のものと伝わる名刀には下記の三振などがあります。
・真柄切
・二念仏兼元
・僧正孫六
孫六兼元は打ち刀・脇差・短刀など刀のほか、槍なども残しています。
実用の道具であった刀剣類は、時代用途と持ち主の体格に合わせるため磨り上げて短くされていることも多く、場合によっては銘の部分が切断され無くなっていることもあります。
銘が無い状態で作者を断定することは、目利きの間でも非常に難しく、刀工の刀剣をご売却される場合には、柄の内部にくる茎に彫られた銘は大きな手掛かりとなります。
孫六兼元の刃文は三本杉とよばれる尖り互の目が特色とされますが、それ以外の作も多く見られます。
写真の短刀は平造りで身幅には砥ぎ減りがあると考えられ、茎も磨上げられたと考えられ
る形状ですが、銘が残されており、確かなお品物としてお買取り致しました。
いわの美術では美術品・骨董品を中心に幅広くお買取りを行っており、骨董的価値の高い刀剣も積極的にお買取りを行っております。
専門知識の豊富な査定員が拝見し、市場価値に見合った最高値をご提示できるよう尽力いたします。
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