マイセンはヨーロッパで初めて硬質磁器を生み出したドイツの名窯です。
絢爛豪華な装飾からシンプルな絵付けまで幅広い表現様式で作品が作られ、コバルトブルーの双剣が交差する窯印はマイセンのトレードマークとして有名かと思います。
日本でも人気のあるブランドで、陶磁器がお好きならご存知の方も多いのではないでしょうか?
マイセンが誕生したのは今からおよそ300年前の17世紀と言われています。
中国では6世紀頃から、日本でも16世紀頃には作られていた白磁ですが、当時のヨーロッパでは作ることができませんでした。
中国白磁や日本の伊万里のような真っ白で艶やかな磁器は「白い金」と呼ばれ、輸入される1枚の皿と精鋭の兵士が交換されるほど、大変高価で貴重な物だったそうです。
各国の王侯貴族たちは巨額の私財をつぎ込み、次々と買いあさっていきました。
なかでもドイツのザクセン選帝侯アウグスト強王は熱狂的な東洋陶磁器の収集家で、自軍の兵士600人とプロイセン王が所有していた中国の壷150個程を交換したという逸話も伝わっています。
アウグスト強王は居城をコレクションで飾っただけでなく、どうにかして自国で製造したいと考えるようになりました。そこで1705年頃、ヨハン・フリードリヒ・ベトガーという若い錬金術師に白磁の製法を解明するよう命じました。その道は大変険しく、ベトガーは研究を投げ出し逃亡を図った事もあったそうです。
苦難の末1709年にようやく白磁製法を解明し、1710年ついにヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」が誕生しました。
双剣が交差しているマークが特徴のひとつであるマイセンの窯印ですが、シュヴェルターと呼ばれる窯印専門の絵付師によって、ひとつずつ手描きされています。
そもそも窯印が採用されたのは1722年頃と言われていて、最初はマークがつけられていませんでした。
マイセン窯ができた当初、硬質磁器の製造はマイセンに独占権があったのでつける必要がなかったのです。ですが製造方法や技術を完全に隠すことは不可能で、マイセンを真似た磁器を製造する窯が出てきてしまいました。これらと区別するためにアウグスト強王の紋章を窯印としてつけるようになったそうです。こちらでは紹介しきれませんが「マイセン 窯印」と検索するとすぐに出てきますので、興味がおありでしたらぜひ調べてみてください。ずっと同じマークではなく、時代によって違いがございますので、制作年代を特定する手段のひとつにもなっています。
デザインのシリーズが豊富なマイセンですが、今回は金彩と絵付けについて画像の「Bフォーム グランツゴールド 飾皿」を例にして触れていこうかと思います。
絵付けは小花が描かれたもので、基本のデザインとなるベーシックフラワーは36種類あり、そこから組み合わせて一つ花から五つ花まで様々な絵柄が描かれるそうです。
金彩部分にはグランツゴールド(光沢金)と言われるマイセン秘蔵の絵具を使用しており、19世紀半ばにH.G.キューンという人物によって開発されました。
通常手描きの金彩は窯から出てきたときにくすんでしまうので、磨き作業をしなければなりません。ですがグランツゴールドの場合は焼成中に輝きを放つ特殊な金なので、つや消し以外は磨き作業が不要になりました。この金彩をあしらったデザインはBフォームとXフォームと呼ばれ、今でも非常に人気が高いお品物のひとつでもあります。
いわの美術ではマイセンの商品をお買取りしております。
窯印はあるか、箱の有無、汚れやキズの有無、お品物の状態などで査定額が変わる場合がございます。
お客様ご自身で判断される前にぜひ一度ご相談ください。
マイセンのほか、同じく東洋磁器に魅せられた王によって開窯されたデンマークが誇る老舗ロイヤルコペンハーゲン、260年以上の歴史を誇る英国王室御用達ブランドのウェッジウッド、日本で初めてディナーセットを製造し欧米で絶大な人気を博したノリタケなど、記事でご紹介させて頂いたメーカー以外にもお買取りさせて頂いております。
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