中林忠良は、1937年東京生まれの版画家です。腐食銅版の第一人者で、「全て腐ちないものは無い」という考えのもと、白と黒のコントラスト、銅版の繊細な表情が特徴の作家です。
中林氏が、版画に出会ったのは、東京芸大の学生だった頃、版画の授業で、当時、教授として教鞭をとっていた駒井哲郎氏に指導を受けた時でした。
駒井氏は、現代の版画界を築いた先駆者といわれる人物で、中林氏は、駒井氏の作品、作品を作る姿に感銘を受け、自らも版画の制作を始めます。
当時、油絵による制作に行き詰まっていた中林氏にとって、銅版画との出会いは、まさに運命の出会いでした。
その後、東京芸大の大学院を卒業、駒井氏の助手として同大学に残ります。その頃に大学紛争等、後に作品の表現に繋がる経験を重ねていきます。
1974年からは、講師、1978年には、助教授に自らのキャリアを積んでいきます。この頃には、様々な賞を受賞するなど、美術界にて、頭角を現していきます。
教育者としての手腕が評価され、1989年に教授になり、現在は東京芸大の名誉教授、大阪芸大の客員教授等、日本の美術教育を支えてきた人物です。
また、日本版画協会理事、日本美術家連盟常任理事を務め、2003年には、紫綬褒章。2014年には、瑞宝中授章を受賞するなど、文化的貢献が認められている人物です。
中林氏の銅版画は白と黒のモノトーンによる、美しい世界観が特徴的な作家です。その原点は、雪深い新潟での子供時代の思い出だそうで、「自然の光と影しかない風景となじめない学校や暮らしの中で雪の世界にだけ親しいものを感じていた」と中林氏は語っています。
彼の作品のどこか情緒的な深い黒は、過去の記憶の追体験なのかも知れません。
中林氏は、その作品の絵柄だけではなく、様々な銅版画の技法が魅力的で、現代日本の銅版画に新たな一面を開いたと評されています。
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