美人画のメゾチント銅版画で人気を博した斎藤カオルの作品・版画集を積極的にお買取りしております。
ご依頼がございましたら弊社いわの美術までご連絡ください。専門の査定員がお品物を拝見いたします。
斎藤カオルは1931年神奈川県の葉山町に生まれ、早くから鶴田吾郎・荒井龍男に師事し、17歳で鶴田と藤田嗣治の主宰するアカデミー46美術研究所にて裸婦デッサンを習得するなど早熟な画家でした。1949年に東京都美術館開催の第12回自由美術家協会展に「自画像」が史上最年少の18歳で入選するなど若くして画家のキャリアを築きます。その後、中学校の美術教師の職を経た後、1968年にメゾチント銅版画を復興させた長谷川潔の下で銅版画による具象絵画の制作を始め、油彩画から銅版画へ移り現在知られる作風が醸成されていきます。銅版画制作を始めた最初の年にすでに第8回現代日本美術展に「羊のいる海」が入選し、1970年以降も版画グランプリ展・春陽展入選、春陽会賞受賞など銅版画キャリア開始から評価が高く、のちにこれら初期の作品も作品集に納められます。
1976年に葉山にアトリエを新築し鎌倉から移ると、77年には初の銅版画集「古きフィレンツェの女たちーそして四季」を刊行し、80年に「ひとつのオクタアヴ」、81年には1968年からの作品を纏めた「斎藤カオル銅版画作品集」を続けて発行します。これらに納められた作品に特徴的に見られるのが、伝統的な日本の美を体現する女性像と、対照的な西欧女性像とが挙げられます。西欧女性像は初期イタリアルネサンスの肖像画やフランドル絵画から霊感を得たことが細部に伺え、簡潔な画面構成の奥にひろく古今東西の美術を内包していると言えます。
美人画のスタイルを確立したのち、西武百貨店の注文により取り掛かるのが源氏物語五十四帖をオリジナル銅版画集にまとめたシリーズで、1982年から10年をかけ毎年1巻のペースで制作されます。この間にアメリカ・カナダで多数の個展を開催し成功をおさめ、世界的にも希少なメゾチントの大家として人気を博し、作品は大英博物館・シカゴ美術館をはじめとする国内外の美術館に収蔵されています。
写真のお品物は以前いわの美術でお買取りしました、斎藤カオル銅版画集「源氏物語絵巻 第5巻」です。玉鬘十帖の中後半を収録したこの巻では初夏から秋の季節を背景に玉鬘の可憐な姿が描かれています。黒の表現が秀逸な銅版画と日本の古典文学の世界は好愛称であり、源氏物語を絵画化した作品集として類を見ない美しさと、各巻80部限定であった事などから、中古市場でも高値でお取引されており不朽の価値が見込まれます。
お手元にご売却をお考えの斎藤カオルの源氏物語絵巻がありましたら、ぜひ、いわの美術へご連絡くださいませ。お買取りの場合は保存状態・共箱の有無が重要となりますので、お問合せの際は詳細をお聞かせ下さい。その他の銅版画作品集・銅版画作品についてもお買取りの対象となります。お問合せはお電話・メール・LINEにて受付しております、お客様からのご連絡をお待ちしております!