石井康治は手吹きガラスの新風といわれた天才でしたが、50歳の若さで急逝した今なお評価の高いガラス作家です。
色の魔術師と呼ばれた石井康治の作るガラスア―トは、まさに光と色彩のイリュージョンを奏でています。
ガラスの中に幾重にも重なり混ぜ込まれた色が美しく調和し、フォルムはシンプルに美しく流れるような曲線美が特徴です。
石井康治はガラスを使って自然を表現することに情熱を燃やし、自然の中でも特に青森の地に魅せられて、1991年に「石井グラススタジオ青森工房」を開きました。
以後1996年に急逝するまで青森の自然をガラスで創作することに没頭します。
石井康治の手吹き硝子の工程は、熱したガラスを吹き竿に巻き付けて、息を吹き込みながら形成し、そこに色ガラスを加えて溶着させる事で美しい色合いに仕上がります。
大きな作品や多数の色付けは一人で出来る作業ではなく弟子達の助けが必要な重労働ですが、その労働を乗り越える事によって多くの人からの高評価を得る作品へとなるのです。
自然を写生するようにデッサンし、工程を練り、弟子に伝えて制作に取り組んだ石井康治は、アーティストであると同時にディレクターでもありました。
石井康治は普段使いの小さな器やコップを主に制作しましたが、晩年は壺などの大きな作品にも取り組んでいます。
工業デザインの分野でも優れた才能を発揮し、三和酒類株式会社「いいちこ」のシルエットボトルや、AGF「炭焼珈琲」ボトルのデザインではそれぞれジャパンパッケージデザインコンペティション特別賞を受賞しました。
作品展や展覧会への出品などに積極的に取り組んでいた1996年、青森にて急逝されました。
今もなお、常に魂を込めて自然への感動を表現した石井康治の作品は見る者を惹きつけてやみません。
テーブルランプや花瓶などの大きな作品や、酒器、茶碗、皿、茶道具の棗(なつめ)なども制作されました。室内を美しく彩るテーブルランプはその中でも人気が高く、お買取価格が期待できる作品です。
その他の作品もお買取りの対象ですが、作品や保存状態、共箱の有無などによってお値段が様々です。
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