いわの美術にてお買取りしましたお品物より、杉原元人の作品をご紹介いたします。
杉原元人は日展を中心に活躍し、山や海の風景を描いた作品で人気の日本画家です。
こちらの作品は人気筆頭ともいえる上高地の大正池をモチーフとした一枚で、明るく清澄な色彩が魅力の逸品でした。
明るい陽光に照らされた湖畔の木々は湖面に映り、澄み渡る高原の向こうに、雪を頂いた峰々が連なっています。
杉原元人(すぎはら げんじん)は1912年に三重県で生まれ、父親の仕事の都合で幼少期に北海道へ転居しました。
競走馬の牧場を営む一家のもと、大自然に囲まれて少年期を過ごし、ここで培われた自然や風景への感受性は、終生にわたって画業の命脈となりました。
1923年に教育環境を鑑みた両親により関東へ移住し、16歳で川端画学校洋画科に入学し本格的に絵を学びます。
杉原元人は初め洋画を専攻しており、川端画学校卒業後に日本画へ転向し、川合玉堂の門下であった児玉希望に師事しました。
1946年の日展で初入選となり毎年出品を重ね、1955年の日展では白寿賞を受賞し、日本画壇で順調な評価を得ていきます。
50歳となった1962年に千葉県流山市に居を移すと、終生の拠点として外房の海などでも写生を行い、荒い波の海の風景が作品に加わります。
1968年に日展菊華賞を受賞し、翌年日展審査員となり、さらに1970年日展会員に推挙され日本画壇の重鎮となります。
1978年には天皇皇后両陛下御座所の間に「瀬波の海」を献上する栄誉にあずかり、外務省の依頼をうけ作品を制作しました。
日本の自然のもつ雄大な美しさを伝統的な日本画に描く杉原元人の作品は、画壇での評価に留まらず広く支持されるに至りました。
1984年の国際芸術文化大賞受賞後、翌年日展評議員に就任、1989年に紺綬褒章を受章します。
1992年に日展参与となり日本画界の中枢を担い、翌年日展文部大臣賞を受賞、1996年に勲四等瑞宝章受賞となりました。
2005年に美術年鑑社より杉原元人画集として長年の画業を上梓し、晩年まで精力的に活動を続けながら、2009年に97歳で逝去されました。
風景を描いた日本画が有名な杉原元人の作品は、静寂さと豪壮が双璧を成しています。
山の風景を描いた作品は特に人気がたかく、清澄な空気まで描き出された上高地、大正池の風景や、妙義山、富士山などは中古美術市場でも多数お取引されています。
大正池をモチーフとした作品は今回ご紹介の明るい風景のほか、湖面から霧の立ち込め静謐とした全くことなる作品もあり、画家の自然の観察力、表現の幅広さを窺い知ることが出来ます。
また水墨画においても、静謐で構図の美しい感性された湖水風景、力強い筆致で描かれる山、滝の流れの烈しさを捉えた瀑布などが人気を集めています。
いわの美術では美術品・骨董品のお買取りを行っております。
とくに絵画のお買取りは多数実績があり、近現代の画家・作品の知識とお買取り実績の豊富な査定員が丁寧に拝見いたします。
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・画題
・絵の大きさ
・絵の状態(シミ・ヤケ・傷など)
・額装または軸装の状態
・画廊などの保証書、額裏面のシールなど
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