音丸耕堂は漆の色使いに革命をもたらし、更に色漆の層のグラデーションと大胆な彫りで彫漆に新風をもたらした人間国宝です。
音丸 耕堂 | おとまる こうどう |
---|---|
本名: 芳雄 | |
旧姓: 木村 | |
1898年~1997年 享年99歳 | |
讃岐漆芸 | |
受章 | 1955年「彫漆」で重要無形文化財保持者の認定 |
漆は元々5色に限られており、黒漆、朱漆、潤朱漆(茶色)、黄漆、青漆(緑色)が存在していました。
音丸耕堂は酸化チタン系顔料(レーキ顔料)を取り入れることにより、それまでになかった白や紫などの鮮明な色や、繊細な中間色の漆の開発に成功します。
この新たな色は表現の幅を格段に広げ、漆界の新境地を開拓しました。
彫漆とは漆を塗り重ねて厚い層を作り、その漆の層を彫って絵や模様を表現する技法です。
元々は古く中国から伝わった技法で、讃岐漆芸の祖・玉楮象谷(1806-1869)が研究を重ねて再現に成功します。
音丸耕堂は讃岐彫の石井磬堂に師事した後、すでに故人であった玉楮象谷の作品から独学で彫漆を学びました。
漆は100回塗り重ねてやっと3~4mmの厚さになる程度で、非常に根気のいる作業です。
塗った漆が乾くまで次の漆を塗ることができず、1日に1層しか塗れないこともあり、製作期間に3ヶ月を費やすなど忍耐が必要でした。
時には数十色にもなる色漆のグラデーションとコントラストを塗り重ね、そこに下絵を描いて巧みに彫り下げ文様を浮き立たせました。
華やかで洗練された作品を生み出した音丸耕堂は、57歳の時にこの彫漆にて人間国宝に認定されています。
色漆の一層ごとの塗りも、その層の彫り下げも、手間と時間がかかる上に一度のミスも許されない作業です。
彫る模様を想定して、色漆の層の順番や分量の計画が行われていました。
ミスを防ぐためにノートに表を書き、正の字で塗った回数をカウントしていたそうです。
下絵に関しては必ずスケッチをしてから取り組んでおり、1日1枚はスケッチを描くことを習慣にして常に表現力を磨いていました。
音丸耕堂は現在も彫漆の第一人者であり、人間国宝であることから高額買取りが期待できる漆芸作家です。
漆の層が厚くグラデーションやコントラストが美しい作品は特に高値で取引されています。
付属品も査定額に影響しますので、鑑定書・保証書・栞・共布など、特に共箱と呼ばれる木箱があれば更に査定額が上がるので、汚れていても一緒にお出し下さい。
まだご売却をお考えでない場合は、より良い状態を保つ為に日光の当たらない状態で保存して下さい。
漆は紫外線に弱く長時間日光に当たると変色してしまいます。
また、長期間の極端な乾燥も漆面が痩せたり木地の変形を招きますのでご注意下さい。
いわの美術では音丸耕堂の漆芸作品をお買取りいたしております。
音丸耕堂の作品は、蔵や倉庫、遺品整理などから出てくることが多いお品です。
今回お買取りの独楽盆は、経年劣化は否めないものの比較的良い状態であること、共箱が付いていることから高価買取りさせていただきました。
音丸耕堂の作品のご売却をお考えの場合は、まずはいわの美術までご連絡下さい。
いわの美術は音丸耕堂の作品価値に精通しており、これまで多数の買取実績を誇ります。
WEB無料査定、LINE無料査定、電話無料査定を行っており、お客様のご納得された上でのお買取りをいたしております。
初めての方でもお気軽にお問い合わせ下さいませ。
スタッフ一同ご連絡を心よりお待ちしております。