横尾英子は東京芸術大学 在学中に巨匠・平山郁夫に見出され、早くから才能を開花させました。
季節のうつろいを繊細かつ華麗に表現し、外務省買い上げや『昭和天皇実録』の帯画制作など、当代きっての実力派です。
横尾 英子 | よこお えいこ |
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1960年~ | |
日本画 |
横尾英子は、子供の頃工作が大好きで、絵に関してはきれいな形を見れば真似して描く程度だったそうです。
大学受験の時に芸術に進むことを考え、当時は洋画が人気絶頂でしたが、高校の時に体験した油絵の絵の具がベタベタしていて洗っても取れず、扱いの難しさもあり良い印象がありませんでした。
水彩絵の具で良いという点で日本画を選び、そこで初めて日本画という存在を知ります。
東京芸術大学で日本画を専攻し、当時教授であった平山郁夫から薫陶を受け、大学院は平山郁夫教室に所属しました。
同じ年に院展に初入選を果たします。
翌々年、大学院を卒業した年には、院展に3回入選する必要がある『日本美術院 院友』に僅か25歳で推挙されました。
27歳で外務省買い上げ、30歳では再び外務省と法務省でも買い上げがあり、現代日本画家の代表格となります。
その他、日本国大使館公使公邸のための絵画制作や、近年では『昭和天皇実録(全19冊)』の帯絵で美しい花の絵を手掛け話題になりました。
昭和天皇実録(全19冊)の帯絵モチーフ
1,2巻 | 春風(新宿御苑 桜日本画) |
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3,4巻 | 花橘(みかんの花) |
5,6,7巻 | 山桜 |
8,9巻 | レンゲツツジ |
10,11,12巻 | ソメイヨシノ |
13,14,15巻 | 屋久島シャクナゲ |
16,17,18巻 | ソメイヨシノ |
横尾英子は風景画を描いていましたが、2002年頃に京都の円山公園で満開の夜桜を見た時から桜の虜になりました。
それ以来毎年、1月半ばから近所の新宿御苑に通い、寒桜に始まりソメイヨシノ、山桜、白妙、八重桜(一葉、福禄寿、ウコン、関山)など桜のリレーでスケッチを描き続けます。
誰よりも新宿御苑の桜に詳しいと言っても過言ではありません。
枝垂れないはずなのに枝垂れているソメイヨシノのありのままの姿を描いたり、描いた翌年には枯れてしまった桜など感慨深い出来事もあります。
横尾英子が桜を描くきっかけになった円山公園を代表する桜『祇園しだれ』も、花見客が残すゴミを狙ったカラスの害で無残な姿になりました。
養生して近年は少しは盛り返しているようですが、また美しい姿になって横尾英子を喜ばせて欲しいものです。
横尾英子の描く日本画は、肉筆画の1点物なので買取価格はその作品の出来やサイズによって決まります。
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作品の保管状態によっても価格は大きく変動します。
直射日光は色あせの原因となるので避け、高温や多湿も大敵ですのでご注意下さい。
額縁が破損していても、元々の額縁が真作の証明になることが多いので、そのままの状態で売却されることがお勧めです。
共箱、タトウ箱や鑑定書など付属品はプラス査定になりますので、お持ちの場合は必ず一緒にお出し下さい。