松井ヨシアキは福井県出身の洋画家です。
パリをテーマとした油彩画で知られ、独特で軽快なタッチものと、リズムに溢れ軽快な街並みや、郷愁を誘う風景やドラマを感じるパリの夜景などで人気があります。
松井ヨシアキは1947年生まれ福井県出身です。
幼児期に結核を患った際、抗生剤の副作用から難聴となり、20代で完全に聴力を失う逆境の中で画家となり、長い間支持される人気の画家となりました。
松井ヨシアキの作品にはパリの景色や人々が多く登場しますが、これらのインスピレーションの元の一つに子供時代に親しんだ字幕付きの洋画があります。
「天井桟敷の人々」「巴里の屋根の下」などに映る古き良きパリの景色は、未来の画家に美しいパリの夢を見せました。
そして画家となる夢を実現し、パリに滞在して製作するようになってからも、画家の美意識の根底に映画のイメージは流れ続けていると伺えます。
中学3年頃に画家を志し、高校時代の美術の時間に改めて絵の面白さを発見、高校卒業後に上京してしばらくの間は朝から晩までギャラリーを巡り、自分の表現を探して思い巡らす時間を過ごします。
やがて絵画に本腰を入れ、美術系の大学などには通わず独学で絵の技術を研鑽し、グラフィックデザイナーや画塾のデッサン講師なども経て、1972年の大手町画廊での個展から本格的に画家として活動を始めます。
日本の洋画界を1928年の創立から牽引してきた銀座の日動画廊において毎年個展を開催し、1980年には銅版画集「夜の箱」を出版。1984年に日動画廊主催の若手公募展・昭和会にて昭和会賞を受賞しました。
1988年の昭和会賞受賞記念展から1990年代初頭にかけて全国的に展覧会活動を広げ、福岡・名古屋・軽井沢の日動画廊、大分のぎゃるりー ら・ぱれっと、京都の蔵丘洞画廊、東京でも小財堂画廊、日本橋高島屋と活躍の場を広げていきます。
この時期はバブル経済の好況で美術品が投機対象になるような時代でしたが、93年頃から景況感が悪化し不況へ移っていったものの、純粋に絵画の愛好家である蒐集家からの支持を得ていた松井ヨシアキは、個展開催の勢いも衰えませんでした。
そして1995年には、幼少時からの憧憬の街・パリの日動画廊での個展開催を成功させます。
日本国内での展覧会は高崎・名古屋・大阪の高島屋をはじめ、東京のBunkamura、山梨のアサヒギャラリー、秋田の杉田画廊など更に広がりを見せます。
またほぼ毎年パリに滞在し作品制作を行うようになり、2006年から「パリの長い一日」「パリの靄」「パリに音楽は流れる」などパリをテーマとした画集を刊行しました。
街角の音楽家やダンスホールを描いた作品の躍動感は、そこに確かに音楽があることが感じられ、音を感じ取り描き出す画家の感性は素晴らしく、長い間支持される所以と言えるでしょう。
70歳を超えた現在もパリをテーマとした作品の製作に邁進され、さらにシンプルな表現に関心を広げるなど、旺盛な活動を続けています。
写真のお品物はF6号と十分な大きさがあり、油彩特有の画家の軽快なタッチが活きる魅力的な作品です。
何気ない街角の路地の一角で、名もない猫たちのすれ違う瞬間を捉え、軽妙な色彩と線で描きとった良作です。
この作品はご購入時のタトウ箱に入り、絵の雰囲気にぴったりの造形の凝った額装がなされ、高評価でのお買取りとなりました。
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