熟練の技を持つ名工・屋良常雄による沖縄三線です。
沖縄三線の要とも言える棹(さお)は、流通量が少なく幻の銘木とまで言われている『八重山クルチ』を使用し、屋良常雄によってその独特の音色と模様の魅力が最大限に引き出されました。
沖縄三線は胴よりも棹を重視しており、その中でも八重山クルチの棹は琉球王朝時代から最上位とされています。
八重山クルチは艶がありながら澄んだ音色、そして実際に対面して感じる独特のオーラが魅力で、名器を一番多く出している木です。
元々はインド原産の黒壇の一種で、沖縄・九州・東南アジアなど広く分布していますが、育った土地によって僅かながら違いが出ます。
石垣島を中心とした八重島列島で育った物だけが八重山クルチであり、沖縄の他の地域で育ったクルチも続いて人気です。
需要は非常に多いのですが、三線に使用できる大きさまで育つには100~200年 という長い年月が必要で、供給が追いつかず枯渇し 現在は伐採が禁止されています。
フィリピンで育った同じ木はカミゲンクルチと呼ばれ、世界的な黒壇の減少もありカミゲンクルチの沖縄三線もなかなかの高級品です。
沖縄三線に使われるのは木の芯が硬く黒い部分のみで、この硬さゆえに良く響く棹となります。
真っ黒の八重山クルチが不動の人気ですが、シラタ(白)と呼ばれる明るい色が混ざった模様入りの棹も音は同じと言われており、近年はその自然の神秘とも言える木目を見せる棹が増えてきました。
今回お買取りした沖縄三線もシラタが多く入った八重山クルチですが、その自然が織りなす魅力に目を奪われた方も多いのではないでしょうか。
屋良三線屋はこの道50年の沖縄三線の匠であり、演奏の名手でもある屋良常雄の工房であり、初心者向けの安価なモデルから家宝級の一点物まで幅広く制作する作家です。
黒い八重山クルチを信仰する余り、シラタの混ざった八重山クルチも黒く塗る製作者も多かったのですが、屋良常雄はオリジナルの透明漆塗りによって木肌の豊かな表情を大切にしています。
八重山クルチやカミゲンクルチなどの黒壇の他に、クロユシギ、黒柿などの稀少な木で三線を制作しており、中古市場でも需要が高い作家です。
その他、名護上原進、又吉真栄、照屋勝武、仲嶺盛文、平良昌則、渡慶次道政、銘苅春政も人気の沖縄三線作家ですので、お気軽に無料査定をご利用下さい。