あなたが先祖代々引き継いできた貴重な骨董品をお持ちなら、保管方法についても見直してみてください。絵画、掛け軸、刀剣類、茶器などさまざまな骨董品の価値は、保管状況によって大きく変化します。
骨董品といっても、絵画なのか道具なのか、そのものによって正しい保管方法は異なります。以下に、種類別の適切な保管方法をご紹介します。
骨董品として価値のある絵画や掛け軸を、日光が当たる場所に飾ったり、放置したりしていませんか?また、カビが生えてしまうほど湿気の多い場所にしまい込んだり、絵画や掛け軸を雑多に重ね合わせたりしていないでしょうか。
墨や絵の具で描かれた絵画、掛け軸などは、日光が当たることで劣化してしまいます。日光が当たらない場所に保管するのはもちろんのこと、保管用の布をかぶせるなど、注意を払いましょう。
また、カビの発生を防ぐために湿度の管理も必要です。湿気がこもらない場所を選ぶ、エアコンで湿度管理するなどが有効でしょう。
額装していない絵画の場合は絵画同士を重ねて保管せず、直接重なり合わないようにして保管しましょう。紙同士がこすれることで、絵の具が剥落するなど傷んでしまう可能性があります。
掛け軸の場合は、巻いて収納箱(桐箱)に入れるなどの保管方法がおすすめです。丁寧に巻いて紙に折り目や破れが生じないよう注意することが重要です。
「湿度は関係ないだろう」と、陶器をジメジメした場所に置きっぱなしにしてはいないでしょうか。また、デザインが好みだから飾っておこうと思ったは良いものの、日光が当たるところに飾ってしまってはいませんか?
陶器はその材質上、時間が経つことで素材が劣化し、極端な湿気や乾燥で表面に細かいひび割れや欠けが生じてしまうこともあります。湿気が多い場所に保管すると、そのひび割れから水分が染み込んでしまい、日々の拡大や欠けの原因となることがあるため注意が必要です。
また、日光に当たることで素材の色味などが褪せてしまったり、黄ばみや染みが発生してしまったりすることもあるため、日の当たらない場所に保管しましょう。
「茶道具はお湯と一緒に使う物だし、湿気は関係ないだろう」と考え、湿気を気にせずに保管してしまったり、「細かい道具が多いから」と一緒くたに包んだり箱に入れたりして保管してはいないでしょうか。
お湯を使用することが前提の茶道具ですが、保管時には湿気が大敵となります。また、他の骨董品と同様に、茶道具も直射日光により色味の変化や劣化を起こすことがあるため、日の当たらない場所への保管を心掛けましょう。
また、比較的サイズの小さなものが多くなりますが、1つずつ柔らかい紙や布にくるんで保管用の箱にしまっておきましょう。破損の危険性が少なくなります。
非常にデリケートな骨董品は、その価値を保つためにも定期的にお手入れすることをおすすめしますが、間違ったお手入れをしてしまうと逆に価値を下げてしまうことになりかねません。例えば、お手入れを素手で行う、陶器や茶道具を食器洗い乾燥機で洗う、といったことが挙げられます。
どのような骨董品かにもよりますが、素手で直接触ることはできるだけ避けた方が無難です。人間の手(皮膚)には水分、脂分がどうしても含まれているため、直接骨董品に触ることで汚れが付いてしまい、物によっては染みやカビの原因となります。布手袋を着用するのはもちろんのこと、その手袋自体もしっかりと洗い、清潔さを保つよう心掛けることをおすすめします。
日光に当たらず湿気がこもらない場所への保管が重要ですが、その他にはなるべく広い場所に、ゆとりを持って保管することも大切です。
狭いスペースに大量に保管してしまえば、骨董品同士が触れ合い損傷してしまう可能性も高まりますし、風通しが悪くなり湿気がこもる原因にもなります。
また、陶器や磁気など衝撃に弱い骨董品は、落下して破損してしまうことを防ぐため、なるべく低い位置に保管することが望ましいでしょう。タンスや家具が倒れてこないように地震対策をしておくこともおすすめします。
雑な管理のために傷んでしまった骨董品は、正しく修復することで価値が回復する場合もありますが、修復したこと自体が価値を下げる原因となる場合もあります。
また、傷みが激しい場合は、完全な修復が不可能となることもあり、その場合は本来の価値が失われてしまうことも。いざというときに修復する必要がないように、普段から正しく管理とお手入れをしておいてください。
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