コレクターの多いことでも知られる愛らしいテディベア。テディベアについて語ろうとするとき、その代名詞のような存在となっているのが、ドイツのシュタイフ(Steiff)です。シュタイフは、1880年にドイツで誕生し、世界で初めてテディベアを作りました。
シュタイフの創業者は、テディベア・ママとして知られるマルガレーテです。ドイツ経済が不安定であった1847年に建築職人のフリードリッヒと妻のマリアの間にマルガレーテ・シュタイフは生まれました。2人の姉とともにすくすくと育っていったマルガレーテでしたが、1歳半の時にでた高熱がもとで右手と両足がマヒしてしまいます。しかし、そんなハンデにも負けず、マルガレーテは好奇心旺盛で、お転婆というグレーテルというニックネームがつけられたチャレンジ精神あふれる女の子でした。
やがて、建築職人の父の影響もあり、洋裁学校に通うようになった彼女は、右手のマヒというハンデをミシンを逆さにすることで克服し、その技術を磨いていきました。 30歳になったころ、フェルト洋服などをつくるフェルト専門店をオープンします。開店当初から店の評判もよく、順調な滑り出しでしたが、ある日、雑誌にのっていたゾウのイラストをヒントにフェルト製のゾウをつくってクリスマスに販売したところ、これが可愛いと大人気となり、完売します。
翌年のクリスマスもそのゾウのぬいぐるみは完売し、1882年にはゾウ以外にも、ブタ、馬、羊なども加わり、事業規模を拡大していき、1885年には徹底した品質重視のぬいぐるみの総生産は5000体を超えるまでとなりました。
1893年にはおもちゃ製造部門を独立させ「フェルト・トイ・カンパニー」が設立され、1902年にはマルガレーテの甥のひとりが、手足が動き、首が回るクマのぬいぐるみを開発しました。
これがテディベアの誕生ということになるわけですが、当初のヨーロッパでは、このクマのぬいぐるみはデザインが悪く高価すぎると、酷評されました。ところが、見本市でアメリカのバイヤーの目にとまり、「これこそアメリカのこどもたちが抱いて眠りたいものだ」と、即座に3000体が発注されました。このクマのぬいぐるみは、アメリカで空前のテディベアブームを引き起こすこととなりました。
1907年はベア年といわれるほど、テディベアは世界的にブームとなり、シュタイフのテディベアの総生産は97万4000体にのぼり、ドイツのギーンゲン工場では製造がおいつかず、町の人々が総出でテディベアづくりに励み、「ギーンゲン町では誰もがテディベアの詰め物をしている」と後々まで語り継がれるほどでした。
マルガレーテは1909年62歳の誕生日を待たずに、この世を去りますが、彼女の「こどもにこそ最良のものを」という精神は現在にまで受け継がれ、シュタイフのぬいぐるみは世界中のこどもや子供心を失わない大人たちにも夢と郷愁を与え続けています。
シュタイフのテディベアが大ヒットすると、シュタイフのテディベアを真似た模倣品が次々とでてくるようになりました。中にはシュタイフの製品を分解し、一針一針真似てつくられたものもありましたが、そのほとんどは粗悪品でした。
最高品質をモットーとするシュタイフにとって摸倣品は悩みの種で訴訟を起こしたり、様々な対応を重ねましたが、あるとき甥のフランツがすべてのぬいぐるみの左耳にシュタイフのマークの入ったボタンを取り付けるというアイデアを出しました。これが他のぬいぐるみとは違う最高の芸術品としての証「ボタン・イン・イヤー」つまり、シュタイフのブランドマークの誕生です。
シュタイフのテディベアはドイツの職人の手作業で一体ごと丁寧に作られた伝統の逸品ですが、その証であるボタンとタグは、すべての厳しいチェックに合格したものだけに取り付けられます。
シュタイフのボタン・タグの種類は、年代によって変更されており、色々な種類があります。 現在は、白地に黒い文字のタグは1900年代初頭のシュタイフ製品を復刻したレプリカ、白地に赤い文字タグは地域限定、数量限定、年度限定など生産数に制限のある限定品、黄色地に赤い文字のタグは定番商品に付けられています。その他、黒地にシルバー文字の特別なタグはシュタイフクラブ限定「Margarete Steiff Editions」のものです。
以前のシュタイフのタグにはクマのマークがつけられていたこともありましたが、2015年からタグが新しくなり、クマのマークがなくなり「Steiff」の文字のみとなりました。ただし、キッズ&ベビーのぬいぐるみには、クマのマークがついています(タグの遍歴はシュタイフ歴史本で確認することができます)。
日本ではシュタイフ=テディベアという存在ですが、実はシュタイフはヨーロッパのぬいぐるみ総合メーカーとして、ゾウ、キリン、ライオン、ペンギンなど、テディベア以外にも動物のぬいぐるみを生産しており、そちらもヨーロッパでは人気です。
愛着のあるテディベアを長く楽しんでいると、汚れたりくすんでしまうこともありますが、ぬいぐるみを洗濯すると、毛並みや風合いが変化することがあります。洗っても新品と同じような状態には戻りませんので、できれば洗わない方がよいといわれています。
洗濯する場合は、リボンなどの付属品は洗う前に取り外し、モヘアの表面だけを洗います。足の裏など細かいパーツが使われている場合は、洗濯可の表示があっても洗わないほうが無難でしょう。
テディベアを洗う場合は、小さなバケツに水とウール専用の高品質な洗剤を入れ、よく泡立てます。スポンジに泡を付け、テディベアの表面を優しくマッサージするように洗います。その時にできる限りテディベアに水を含ませないように気を付けてください。
洗った後は、少し水を含んだタオルで軽く拭いながら、丁寧に洗剤を取り除きます。 次ぎに、日が当たらないところで、時間をかけて自然乾燥します。早く乾かしたいからといって、ドライヤーを使ったりしてはいけません。乾燥させている間にときどきブラッシングするとさらによいでしょう。
テディベアを長期間しまっておくときは、段ボールの箱に入れ、乾燥した涼しい場所で保管しましょう。テディベアは高温、多湿、日光、ほこりなどを嫌います。
シュタイフのテディベアには定番商品のほか、世界各地で販売される世界限定品や、販売されている国や地域が限定されるオリジナル限定品、クリスマスなどシーズン限定で販売される限定品、ディズニーランドなどとのコラボ品などがあり、こうした数量限定品のテディベアは高価買取が期待できます。
また、1900年代のアンティーク的価値のあるシュタイフのテディベアは高価買取対応致します。
高価買取が期待できるシュタイフの例
シュタイフ・東京ディズニーシー5周年・10周年記念コラボ ダッフィー
シュタイフ・東京ディズニーシー15周年記念コラボ シェリーメイ
シュタイフ×ハローキティ40周年記念 オリジナルコラボ
シュタイフオリジナル・ミッキーマウス&ミニーマウス
シュタイフ・世界限定モンメルラビット
シュタイフクラブ限定・ピクニック テディベア
シュタイフ×ポケットモンスター・ピカチュウ コラボ
シュタイフ×熊本県 くまもんコラボ
シュタイフ×トトロ・ジブリ コラボ等
シュタイフのビンテージ品・少数生産品、コラボ品など積極的に買取中です。
買取査定の際は、商品の状態のほか、箱やリーフレットなど附属品の有無も査定額に大きく影響いたしますので、お問合せの際は忘れずにご準備くださいませ。