ペルシャ絨毯の美しさを長く保つ秘訣
良質なペルシャ絨毯であれば汚れは毛先とフリンジにとどまります。 織り目が強く締まり、毛先は均質で密度が高いため、普段の生活では織り目に沿って定期的に掃除機を掛けるだけで十分です。
しかし、長年のホコリの堆積やダニの除去など、ご家庭で不可能な洗浄は、絨毯専門のクリーニング店にお出し頂くことが最良の選択と言えます。
ペルシャ絨毯は家具の下に敷かれることが多いお品物ですので、重い家具を置く場所にはウール製絨毯を選び、重い家具を置かない所にはシルク製の絨毯という選び分けをしていくことや、絨毯の耐久性を保つためには定期的に位置をずらして重さがかかる部分を分散していくことも大切です。
小さなお子様・来客が多いご家庭の場合:「飲み物や食べ物をこぼしてしまった!」 という事故も、ホームパーティや食事会、お酒の席が多いご家庭では「良く起こること」という慣れのために「中性洗剤を含ませた布で叩き、軽く汚れを落とす」など、場当たり的な対処をしてから長年放置…という結果になりがちです。とくにシルクの絨毯にアルカリ性の洗剤は禁物です。また、シミの原因となりますので色の濃いものをこぼしてしまったら布巾でこするのはNGです。大切なペルシャ絨毯の毛足にジュースの糖分やコーヒー、ワインのシミが定着する前に、こぼしてしまったら直ちにクリーニングへ出されることをお勧めします。
ペットを飼っているご家庭:ペットの毛やフケ、抜けた爪やヒゲなどが知らないうちに落ちている可能性も高いため、通常よりもこまめにお掃除する必要が出てきます。
喫煙:わずかに火が残った吸殻や灰を落とされますと焦げの原因になります。本当にペルシャ絨毯を大切にしたいならば、タバコは避けた方が賢明でしょう。
陽射し:ペルシャ絨毯の一部分のみに当たり続けるような状態が続いてしまえば、日焼けによる状態の変化が査定に影響してくるため、直射日光の当たらない場所に敷くことが良いでしょう。
湿気の多い部屋:カビをふせぐために避けた方が良いでしょう。梅雨の時期や雨天が続いた跡などは、晴れ間の日を活用して風通しを良くしましょう。雨天で濡れたままのカバンやコートを絨毯の上に置きっぱなしにすることも避けましょう。
上質なペルシャ絨毯は、もともとはモスクと呼ばれるイスラム教の礼拝堂や礼拝所の床に敷くために作られたものであるため、客間や玄関、踊り場、音楽の稽古をするためのお部屋など、目的がシンプルなお部屋に置かれるのが合理的かもしれません。
ペルシャ絨毯の査定は、産地・工房名・大きさの種類・織りの密度・状態やデザインなど様々な条件を併せて評価が付いてきます。今回は5つの代表的な例に絞り、ご案内いたします。
以上のようにお買い上げの際の保証書や証明書・鑑定書の有無、寸法、工房名、原産国がある程度分かっているペルシャ絨毯は、査定も比較的スムーズに進めることが可能です。