高級木材を使用した万年筆「伯爵コレクション」を有する世界最古の筆記具メーカーのファーバーカステルは、「ペン・オブ・ザ・イヤー」と題した、さらに高品質の素材を使用した万年筆シリーズを2003年から限定生産しています。
第1弾2003年の限定万年筆スネークウッドにつづき、第2弾2004年モデルは、太古の神秘とロマンを秘めたタイムカプセル万年筆「アンバー(琥珀)」を発表しました。
琥珀 Amberとは、約3000~6000万年前の第3期斬新世の植物(特に松柏類)の樹脂が長い年月をかけて化石となったものです。透き通ったコニャック色が美しい琥珀は、宝飾品にも用いられる神秘性を秘めた化石ですが、透明度やカラーバリエーションも多様です。乳白色のものから蛍光性を持つグリーンやブルーなど多彩で、約250色の分類があるといわれています。
ファーバーカステル・最高品質の限定生産万年筆ペン・オブ・ザ・イヤーの2004年モデル「アンバー」は、素材である琥珀をボディの形状にあわせてリング状に裁断加工し研磨した後、プラチナコーティングのリングと組み合わせていくという手の込んだデザインとなっています。
琥珀には様々な色や種類がありますが、2004年モデル「アンバー」は、琥珀と金属素材とを組み合わせた絶妙なコンビネーションによって見事なコンビネーションが表現されています。
これは、ロシアのサンクトペテルブルクのエカテリーナ宮殿の「琥珀の間」の修復に携わった職人の技術が活かされた工芸品ともいえる万年筆です。
エカテリーナ宮殿の「琥珀の間」とは、女帝エカテリーナによって造られ、部屋一面に6トン10万個といわれる琥珀が敷き詰められ、贅沢な美しさを放つプライベートルームです。しかし、そのほとんどが第二次世界大戦中、ドイツ軍の占領下時代に持ち去られてしまったという悲劇的な話が残っています。
戦後、「琥珀の間」は1979年から24年間の歳月をかけて修復され、2003年、サンクトペテルブルク建都300周年にあわせて、修復されたその姿が一般公開されました。
こうした歴史的背景にあわせるかのように、その翌年2004年に発表されたのが、ペン・オブ・ザ・イヤーの2004年モデル「アンバー」です。
2004年限定モデル「アンバー」の琥珀がはめ込まれたエンドキャップには “PEN OF THE YEAR 2004”の刻印が施されています。
キャップとグリップ部はプラチナコーティング仕上げで、オリジナルボックスの蓋にも琥珀が埋め込まれた贅沢なつくりとなっています。