川上澄生の作品を探しています。【2022年買取・新着情報】

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川上澄生の作品を探しています。

2022.9.22

川上澄生 木版画 蛮船入津 (群像図)

買取の川上澄生の蛮船入津


『蛮船入津』(なんばんにゅうしん)は南蛮船の入港の意味で、右手に品物と共に到着した南蛮人(ポルトガル・スペイン人)が描かれ、左手には迎え入れる南蛮かぶれのちぐはぐな装いの人々が描かれています。

川上澄生は戦後、主に南蛮と文明開化をテーマに描き、特にこの『蛮船入津』は好んだ題材でした。

新しい異国の物が入り交じる古き良き時代、明治の異国情緒の魅力が溢れる作品です。


作者 川上澄生(かわかみ すみお)
本名 川上澄雄
時代 1895~1972(明治28~昭和47)年
受章 勲四等瑞宝章 1967(昭和42)年

 川上澄生

買取の川上澄生の木版画

川上澄生は明治の中期に横浜で生まれ、3歳から東京で育ちました。

まだ江戸情緒が残る東京の下町で少年時代を過ごした思い出は、後の作品の核となります。

青山学院中等科の頃に木版画に興味を持ち独学で学びますが、この時代は印刷といえば木版画であり、小売店が店先で自分の店の紙袋に文字を刷るなど街中に版木が溢れていたことから、木版画はごく日常的に身の回りにある存在であったようです。

またこの時期は雑誌などを通して竹久夢二が一世風靡しており、川上澄生は他の学生同様に憧れ、絵や詩などの抒情精神に大きく影響を受けます。


20歳の時に青山学院高等科を卒業しますが、母の死や失恋から立ち直れずに1年半の間 就職もしなかった川上澄生は、今後を案じた父親からの提案で父親の仕事の所用を名目に北米へ単独旅行に行くことになりました。

カナダ、シアトル、そしてアラスカに渡り、アメリカの美術学校に行きたいという目標が生まれ、学費の為に鮭缶詰製造人夫を経験します。

しかし父親からの資金援助が望めなかったことと、弟の死もあり1年で帰国、帰国後は定職につかないまま、竹久夢二に心酔し作画・詩作などを極め、詩は北原白秋に選出され雑誌に掲載された程でした。

買取の川上澄生の作品

そんな中で1921年(大正10年)、栃木県立宇都宮中学校の英語教師を引き受けます。

木版画も道具を揃えて本格的やるようになり、夜だけの作業でしたが、翌年 第4回日本創作版画協会展で初入選を果たしました。

その後も精力的に作品を制作し続け評判となり、1929(昭和4)年には人気版画家8名のうちの1人として新東京百景シリーズに参加します。

版画家として成功していましたが、時代は戦争へと向かい版画をやる物資の調達が困難になりました。

川上澄生は軍国主義を嫌い1941(昭和16)年に栃木県立宇都宮中学校を退職、戦時中は妻の実家を頼って北海道に疎開し、この時にアイヌ文化の影響を受けることになります。


戦後は生徒の要望から1949(昭和24)年に宇都宮で再び教壇に立ち、1958(昭和33)年に63歳で退職するまで英語教師と版画家の二刀流を継続しました。

1967(昭和42)年に勲四等瑞宝章を受章し、77歳で亡くなる直前まで意欲的に作品を制作していたそうです。

2022(令和4)年~2023(令和5)年は鹿沼市立川上澄生美術館において『開館30周年記念・川上澄生没後50年 特別企画展 川上澄生の全貌』が開催されています。


 テーマと作風

買取の川上澄生の蛮船入津

川上澄生の初期の作品は憧れていた竹久夢二の影響が感じられ、センチメンタルな絵などで脚光を浴びました。

1926(大正15)年に制作した『初夏の風』は、かなわない恋の想いを絵と詩の両方で描いています。

詩画が共存するスタイルは竹久夢二も制作していますが、人の形の風とその心を説く詩が爽やかなグリーンで描かれ響き合うかのような表現は独自のものであり、版画界で反響を呼んだだけでなく、これを見た棟方志功が衝撃を受け木版画に転向した運命の作品です。

川上澄生は素晴らしい詩魂を持ち、詩情を文学的に絵で表現していました。


翌1927(昭和2)年に詩画集『青髯』(あおひげ)を自費出版し好評となり、この後モチーフが変化していきます。

『新東京百景』への参加、日光を描いた連作、疎開で3年間在住した北海道など、風景や風物詩を題材とし、大きな変化は戦後から明治の文明開化や異国情緒を中心に制作しました。

戦争によって失われた古き良き時代は川上澄生の心の中にあり、戦争により安住できなかった川上澄生の心の故郷なのです。

個人的な趣味で描いているとは言い切れない、この日本に深く根ざしている民族の特性や精神などを趣深く感じさせる、川上澄生の代表シリーズとなっています。



川上澄生の作品をお買取りいたします。

いわの美術では川上澄生の作品を買取強化中です。

買取の川上澄生の版画

川上澄生は作品にはほとんど制作年月日は記載しておらず、制作時期がはっきりしない物もありますが、大きく分けると『青髯』前のセンチメンタルな作品とその後の風景画や明治の作品に分別されます。

その中でも明治の作品は川上澄生の代名詞とも言えるシリーズであり特に人気で、より良い査定が期待できるかもしれません。

しかしながら、査定はその作品の出来や保管状態にもよって上下しますので、まずは いわの美術の無料査定を受けてみてはいかがでしょうか?

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