昭和以降、コンスタントに発行されている「記念硬貨」。希少価値がつきにくいですが、純金製の記念金貨などは金の価値で査定されるため、安定した相場で取引されることになります。
今回は、高価買取が期待できる日本の記念硬貨についてご紹介します。
10万円記念硬貨は「天皇陛下御在位60年記念金貨」と「天皇陛下御即位記念金貨」の2種類存在します。
それぞれ、昭和天皇の在位60年を記念して発行された金貨と、今上天皇が御即位された年に発行された金貨ですが、基本的に額面通りの取引になると考えてください。額面以下の買取価格を提示されるようであれば、銀行で10万円に換金した方が良いでしょう。
ただし、どちらも金を使用しているため、金の価値が高まれば買取価格もアップする可能性があります。特に「天皇陛下御即位記念金貨」については現在買取価格13万円前後で取引されています。金30gで、もう一方に対して10g多いため、査定額もその差の分だけ高くなっています。
皇太子殿下と雅子妃との婚姻が成立した平成5年、額面5万円の「皇太子殿下御成婚記念金貨」が発行されました。平成5年にちなみ5万円とされた記念硬貨ですが、純金製のため現在でも高値で取引されています。
金18gの硬貨なので、おおむね7万円前後で買取してもらえるようです。銀行だと額面通り5万円の換金になるため、現在は買取してもらった方が高額です。
平成11年に今上天皇が御即位されて10年目となることを記念して発行されたのが、「天皇陛下御在位10年記念金貨」です。表には桐と白樺と共に鳳凰が、裏には橘と桜、菊紋が描かれています。
金20gのため平均的な買取価格は8万円前後です。発行枚数は20万枚で、同時に「天皇陛下御在位記念白銅貨」も発行されました。こちらは500円の白銅貨となります。
額面1万円の「長野五輪冬季競技大会記念金貨」は、1998年2月開催の20世紀最後となる冬季オリンピックの記念金貨です。まだ記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。日本代表は計10個のメダルを獲得、冬季五輪史上初の快挙を成し遂げました。
金15gほどで、現在はおよそ6万5,000円で買取されています。第1次から第3次まで発行されており、デザインが異なります。同時に発行された500円白銅貨と5,000円銀貨も合わせて買取に出すと、査定に上乗せしてもらえる場合があるため、確認してみましょう。
2005年、愛・地球博の愛称で親しまれる愛知万博が開催されました。人類の進歩と調和をテーマにした革新的なパビリオンに熱狂した方も多いかと思われます。1970年の大阪万博以来35年ぶりの国内万博ということで、多くの動員数を記録しました。「日本国際博覧会記念金貨」は、額面1万円の記念金貨です。
金15g程度のため、約6万5,000円で買取してもらえるでしょう。合わせて1,000円銀貨と500円ニッケル黄銅貨が発行されましたが、1万円金貨とセットで用意すると査定額が上がる場合があります。事前に交渉してみると良いでしょう。
イベントにあわせて発行される記念硬貨は、思い出の品として保管しておくために入手することがほとんどでしょう。しかし、もし押し入れにしまいっ放しになっているのであれば、思い切って買取に出してしまうのも良いかもしれません。
買取店ごとに査定金額はまちまちなので、事前におおよその相場をチェックしておくと安心です。また、店によって買取の得意分野があるため、記念硬貨の価値を高く見てくれる専門店に持ち込むと、相場より低くならず、安定した高価買取が期待できるでしょう。
なお、今回ご紹介した買取価格は執筆時(2017年1月)の情報であり、保存状態が非常に良いケースを想定しています。
「いわの美術」では、記念硬貨や古銭の査定、買取を行っております。ご自宅に眠っている記念硬貨があれば、ぜひご相談ください。