古銭(アンティークコイン)の輝くような光沢、美しいデザイン、歴史の重みを感じさせる存在感は、多くの人々を引き付けてきました。アンティークコインは趣味としてだけではなく、インフレに強い投資対象として根強い支持を受けています。
今回はアンティークコインの価値や種類についてご紹介します。
アンティークコインの多くは、劣化を防ぐために金を主成分としつつ、銅や銀などの金属を混ぜて作られています。金を主原料とするコインはそれ自体が金属としての価値を有していますが、コインの価値を決定する最大の要素は、現有数が少なく、入手が難しいという「希少性」にあります。
例えば、記念コインを考えてみましょう。
英国王立造幣局で鋳造・発行された「ロンドン2012オリンピック競技大会公式記念コイン」のうち、100ポンド金貨(100ポンドは2016年1月現在のレートで約1万7,000円)の販売価格は34万6,500円でした。
コインの重量は34.05gであるため、同じ重量の金の価格と比較して約2~3倍高額です。しかし希少価値を持つこのコインにコレクターが飛びつき、たちまち完売となりました。
歴史上有名なコインも希少価値があります。1850~60年代に作られたフランスのナポレオン100フラン金貨は、重量が約32g、金の純度は約90%。地金としての価値は約14万円ですが、希少価値を持つため約 16万円で販売されています。
さらに古いコインとしては、1700年代に発行されたイギリスの5ギニー金貨を挙げることができます。アン女王の肖像が描かれたこの金貨は、重量は約42g、金の純度は約92%。地金としての価値は約18万円ですが、販売価格が400万円を切ることは少ないといわれています。
アンティークコインには、金の価格が上下しても価格にそれほど影響がないという強みがあります。この傾向はコインが高額コインであるほど顕著です。コインの価値を決める要素は金の価格ではなく、コインの希少性だといえるでしょう。
アンティークコインには多くのコレクターを引き付けるだけの魅力が存在します。
クラシック・コインは、再生産されることはありません。いったん手に入れてしまえば、何もしなくても価値は徐々に上がり続けます。
特別な場所やメンテナンスも不要で、維持費もかかりません。持ち運びも簡単です。美しいアンティークコインは見ているだけでも十分楽しめるため、室内のオブジェとして飾っても良いでしょう。
玄人の目をも欺く高度な偽造コインが流通しているため、細心のチェックと十分な知識が必要です。特性や歴史に関する専門知識と眼力を磨くとともに、信頼の置ける鑑定人に鑑定してもらうことをおすすめします。
また、同じコインでも、保存状態で価値が変わることは少なくありません。オークション、ネット通販、コインディーラーなど、コインの購入方法はさまざまですが、信用できるところから購入しましょう。
投資対象としてアンティークコインに興味を持つ方も少なくありません。まとまった資金がなくても、コイン投資を始めることは可能です。少額でも投資に適したコインを買うことができ、地道に買い足すことによって資産形成の助けになるでしょう。
日本の古銭も貴重ですが、おすすめしたいのはマーケットの広い外国コインです。ナポレオンやヴィクトリア女王、エリザベス女王などの肖像が刻まれたフランスやイギリスのコイン収集から始めてみてはいかがでしょうか。
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