秦蔵六は幕末から現在の6代目まで受け継がれている金工の名家であり、古代中国の青銅器をモチーフにして、金箔が剥げたようなデザインが特徴です。
デザインとは知らずに「剥げている銅だから価値がない」と思ってしまう方もおられますが、作品によっては美術的価値がとても高いので今一度確認をお勧めします。
四世 秦 蔵六 (四代 秦 蔵六) | よんせい はた ぞうろく |
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1898年~1984年 | |
金工家 |
幕末生まれの初代 秦蔵六は、蝋型鋳造(ろうがたちゅうぞう)で古代中国の銅器の模作で名を上げ、当時の将軍や天皇の公式な印を鋳造するなど、金工の最高峰でした。
初代が築いた中国の古美術銅器を再現する技は、代々継承されています。
塗金(ときん)技術を用いて長い年月を経て金箔が剥げてしまったかのような加工を施し、美しい独特の世界観を表現し、さらに一代一代それぞれが個性を加えていることも魅力です。
四世 秦蔵六は4代であり、2代から指導を受けました。
緻密な彫刻と造形美で中古市場でも人気が高い代です。
敦(たい)とは蓋付きの器のことで、春秋時代から戦国時代にかけて(紀元前8~3世紀頃)の古代中国で、黍や稷などの穀物を盛るために制作されたそうです。
形状は球体で、真ん中でそれぞれ蓋と本体で分かれ、本体側には短い三脚が付いています。
今回お買取りのお品の『敦式香炉』とは、この敦の様式で制作された香炉です。
饕餮(とうてつ)は諸説ありますが中国神話の怪物であり、人間の顔と爪を持ちながら虎の牙や羊のような角を持ち、体は牛又は羊という架空の獣です。
饕(とう)は財産を貪る、餮(てつ)は食物を貪るの意味であり、あらゆる物を貪り食うということから逆転の発想で邪気を食う魔除けとなりました。
この紋様は古代中国の殷代から周代にかけて、つまり紀元前17~3世紀頃に祭事の道具などに使われたとされており、今回のお品の『倣周代饕餮紋』は周代の饕餮紋を再現しています。
四世 秦蔵六は、この饕餮紋の作品をいくつも残しており、人気の高い紋様です。
西清古鑑(せいせいこかん)とは、中国清代の宮廷所蔵の古銅器・銭貨などの美術品を図示した図鑑です。
周代饕餮紋はこの西清古鑑に記載されています。
四世 秦蔵六の作品は、塗金銅(所々金箔加工した銅)の物が多く、素材そのものの価値は安価です。
四世 秦蔵六のネームバリューである程度のお値段がつきますが、細工の出来によって価格が大きく変動します。
彫刻が素晴らしい作品は買取価格がかなり期待できる金工家です。
更に共箱・共布・共栞などはプラス査定になりますので、必ず一緒に査定にお出し下さい。
いわの美術では四世 秦蔵六の作品をお買取りいたしております。
遺産として譲り受けたり、倉庫に眠っているような四世 秦蔵六の作品をお持ちではないでしょうか?
今回お買取りした四世 秦蔵六の『塗金銅 敦式 香炉』は、中古市場でも人気の周代饕餮紋であり、見事な彫刻に加え状態も良く、共箱(二重箱)・共布・共栞が付属であったので高価買取となりました。
いわの美術では四世 秦蔵六を始め、初代 秦蔵六、現当主(6代)の秦蔵六など、全ての代の秦蔵六の作品をお買取りしており、経験豊富な査定人による無料査定を行っております。
査定には何代目の作品であるかの他に細工の出来と状態が大きく関わりますので、写真を送付しての査定がお勧めです。
写真の送付はWEB又はLINEのご都合の良い方法でご利用下さいませ。
スタッフ一同お客様からのご連絡を心よりお待ちいたしております。