中国 明代の名墨匠『方于魯』は、リスペクトされ大量の似造墨・倣古墨が出回ることとなります。
その中でも『海陽方于魯珍蔵』は人気の高い古墨です。
中国において製墨の絶頂期と言われる明代の2大巨匠として『程君房(ていくんぼう)』と『方于魯』が挙げられます。
元々二人は親密な関係であり、程君房は方于魯が経済的に困った時に支援し、自身の墨業にも招き入れていました。
しかしその後 方于魯は独立し、墨図などを記載した著書『方氏墨譜』を発表しますが、程君房はそれが盗作であると主張します。
その上 方于魯はあろうことか程君房の妾に手を出し結婚、当然のことながら修復不能の確執となりました。
両人の対抗意識が影響したかもしれませんが、競い合って制作された墨は用具としての極上の質に加え、墨に施された細工の見事さにも芸術的価値が生まれます。
その人気のあまりコピー品や類似品が出回ることは、いつの時代も変わりません。
更に工芸技術伝承を目的として過去の銘墨を再現した『模倣墨』や『倣古墨』も制作されました。
模倣から入る芸術もあることから、そのような墨の中でも良い物が出ています。
大勢の唐子(からこ)を描くことにより、中国では子孫繁栄を願う意味があるそうです。
10~15cm程度の円形の墨の両面に中国の子供達が遊んでいる姿が表現され、幕題『百子図』が中央付近に記載されています。
程君房と方于魯が始めたとされており、もしかすると程君房が盗作だと訴えた図の一つかもしれません。
こちらも似造墨や模倣墨が多く出回っています。
もしお持ちの墨が程君房か方于魯が手掛けた物であれば、使いかけの墨であっても相当なお値段が付きます。
しかし注意が必要で、偽物が大量に出回っていることから慎重な鑑定が必要です。
似造墨であったとしても、今回お買取りした『海陽方于魯珍蔵』のように出来栄えが良い古い時代の物であれば高価買取になる可能性もあります。
このように古い時代で偽物も多く出回っているようなお品は、共箱の有無が非常に重要です。
共箱などの付属品がある場合は、必ず一緒に鑑定にお出し下さい。
いわの美術では海陽方于魯珍蔵などの唐墨(中国古墨)をお買取りしております。
遺品整理や倉庫の整理などで、売却をお考えの古墨をお持ちではないでしょうか?
今回お買取りの海陽方于魯珍蔵『百子図墨』は、多数のヒビが見られます。
唐墨は日本の気候には合わず、どうしてもヒビが入りやすいです。
しかしながら、共箱付きの未使用品であり、細工が美しく、人気のある海陽方于魯珍蔵であったので高価買取となりました。
いわの美術では書道具のお買取り経験豊富で、まとめてのご売却にも積極的に対応しております。
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