鎌田幸二は日本の天目の第一人者です。
宇宙を思わせる神秘の天目を京都らしい上品なフォルムに彩り、世界を魅了しています。
鎌田 幸二 | かまだ こうじ |
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1948年~ | |
陶芸家 |
京都で生まれ育った鎌田幸二は、幼少の頃から絵を描くのが好きでした。
高校卒業後に数年間 京焼の本拠地である五条坂の共同窯で働き、次第に自分でも本格的に陶芸に取り組むこととなります。
京都府立陶工訓練校に入学し、卒業後も指導員として残り、作品制作を続けました。
その時、京都国立博物館で見た南宋時代(12~13世紀)の禾目天目(のぎめてんもく)に強く惹かれます。
それまでも天目を見る機会はありましたが、その禾目天目は特に見事で、星や宇宙の煌きを感じる作品を自分でも作りたいと研究を始めるきっかけとなりました。
鎌田幸二は、まず古典作品を解析し どのようにして美しい天目が再現できるかを研究、五条坂の共同窯の登り窯にて試行錯誤を繰り返しました。
この時に窯を共用していた様々な京焼作家の作品に出会い刺激を受け、交流も生まれました。
この経験から、長い歴史の中で京都の職人が磨き上げた厳しい審美眼や美意識を受け継ぐこととなります。
しばらくして登り窯は公害防止条例などにより規制の対象となり廃止、その後は自宅のガス窯にて数十年、天目の研究を続けました。
天目は仕上がりが不安定で、同じ調合の釉薬でも火のまわり具合によって仕上がりが大きく変化し、納得できる作品になって焼き上がる作品はごく一部と言います。
自分の思い通りに行かない故に失敗続きや、逆に予想以上の作品が出てきたりするそうで、そんな人知を超えた燿変現象が天目の神秘であり、強く惹かれているそうです。
鎌田幸二は人間国宝・清水卯一の息子の清水保孝と友人であり、清水卯一から直接学ぶ機会もありました。
清水卯一の陶芸に対する姿勢、良いからといってそのまま真似するだけではいけない、自分の表現したいことや個性を生かすことが大切だ、という考えに鎌田幸二は大きく感化されます。
そうして鎌田幸二は天目の再現だけではなく自分の天目を追求することとなりました。
油滴天目や柿釉天目の再現に加え、虹彩が紫の輝きを放つ『紫光天目』、神秘の深海を思わせる『翠青天目』、無限に広がる銀河のような『銀漿天目』などオリジナルの天目を編み出し、その独自の美しさから『鎌田天目』と呼ばれています。
また、茶道の茶碗にとどまらす、天目の盃・花器・皿・鉢などを作り始めたのも鎌田幸二です。
鎌田幸二の作品は、やはり天目作品が人気です。
どれも一点物になり、模様の出方も異なるので、模様や色の美しさで価格が大きく変動してしまいます。
作品のサイズが大きいほうが高い傾向ですが、小さな盃でも作品の出来によって良いお値段が付いた例もありました。
付属品も重要で、共箱、共布、栞などをお持ちでしたらプラス査定となります。
詳しい査定額をお知りになりたい場合は、写真での鑑定をお勧めいたします。
いわの美術では鎌田幸二の天目茶碗などの天目の作品をお買取りしております。
コレクションの入れ替えや、お引越しなどで売却をお考えの鎌田幸二の作品をお持ちではないでしょうか?
今回お買取りした『青天目 湯碗』は美しい青の色調で宇宙的神秘を感じさせる天目作品で、5客揃で状態も良く、更に共箱と栞も揃っていたので高価買取となりました。
いわの美術では陶芸作品の市場価値に精通しており、買取経験が豊富です。
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