戦前の1932年に発売されたコンタックスは、第二次世界大戦のドイツ東西分断により失われた素晴らしい技術が詰まっています。
その全て黒塗りのボディから『ブラック・コンタックス』とも呼ばれ、人気の高いクラッシックカメラです。
発売元 | ツァイス・イコン社(ドイツ) | ZEISS IKON A-G Dresden |
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ボディ | コンタックス (Ⅰ型)※ | CONTAX (Ⅰ)※ |
付属レンズ | カール・ツァイス・イエナ製 テッサー 50mm F2.8 | Carl Zeiss Jena Tessar 1:2,8 f=5cm |
※『Ⅰ』は『Ⅱ』と『Ⅲ』が発売された時に後付けで呼ばれるようになりました。
ドイツの大手レンズメーカーのカール・ツァイス社(Carl Zeiss)は、第一次世界大戦敗戦によるカメラ産業の経済危機を危惧し、主要なカメラ企業を合併させてツァイス・イコン社を誕生させました。
合併された企業はそれぞれ独自の技術や施設を持っていたことから、ツァイス・イコン社は最高の技術そして生産力を誇る世界最大のカメラ企業となります。
1929年にスプリングカメラのイコンタを皮切りに、1932年に小型カメラのコンタックスを発売するなど、次々と新型カメラを開発しドイツの経済復興に貢献しました。
しかし第二次世界大戦の敗戦によりドイツは東ドイツ(ソビエト連邦側)と西ドイツ(米英仏の連合国側)に分断、ツァイス・イコン社の人材や施設もばらばらに引き裂かれます。
分裂後は東と西で『ツァイス・イコン』の商標権を争ったり、コンタックスⅡa Ⅲaの発売などありましたが、結局は吸収合併や衰退の道を辿ってしまいました。
分断前がツァイス・イコン社の黄金期であり、この時期に生産されたカメラは中古市場において高い人気を保っています。
一眼レフのような重く大きなカメラではなく、レンジファインダーと呼ばれるコンパクトなカメラを初めに開発したのは、同じドイツのエルンスト・ライツ社のライカ(Leica)が先です。
コンタックスの登場はライカから7年遅れとなりますが、コンタックスが画期的であった点はレンズの交換ができたことです。
これは軍用の光学距離計の技術を応用することにより可能になりました。
小型で互換性があり、専門の知識がなくても手軽に撮影ができるコンタックスは、現代カメラの原点とも言われています。
ブラック・コンタックスとも呼ばれるコンタックスⅠは、ライカを超える画質で評判でしたが、小さなボディに沢山の機能を急いで詰め込んだことから、故障が起こりやすいという問題がありました。
そのため1932年から4年の生産の間に何度もマイナーチェンジが加えられており、現在確認できるだけでも7回変更されています。
1936年発売のコンタックスⅡとⅢはクローム・コンタックスと呼ばれ、Ⅰの問題点を大幅に改善しました。
ⅢはⅡにセレン光電池式電気露出計を搭載した物で、他のスペックはⅡと同じです。
戦後の分断後に発売されたコンタックスⅡaとⅢaは、更に小型化に成功した反面 測距精度が下がってしまい、ツァイス・イコン復活の起爆剤にはなりませんでした。
シャッターダイヤルの色から、Ⅱa Ⅲaの前期型がブラックダイヤル、後期型がカラーダイヤルと呼ばれています。
コンタックスの中古市場での人気は、ブラック・コンタックス(Ⅰ)が一番高く、続いてクローム・コンタックス(Ⅱ,Ⅲ)です。
ただし保存状態によって大きく価格が変動し、稼働品かどうかも重要で、特にブラック・コンタックスは誤操作により故障するという欠点もあるので、動作する美品は良いお値段が期待できます。
付属レンズは純正のカール・ツァイス・イエナ製(Carl Zeiss Jena)以外の場合は、マイナス査定になるかもしれません。
その他付属品はプラス査定になるので、専用キャリーケース、交換用レンズ、外付けフラッシュ、フード、ストラップ、レンズカバーなどお持ちであれば一緒にお出し下さい。
作動しないジャンク品であっても、状態によってはお買取りいたしますので、まずは無料査定を受けられることをお勧めします。
いわの美術ではツァイス・イコン社のコンタックスをお買取りしております。
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今回お買取りしたブラック・コンタックスはボディの損傷が目立つものの、シャッターが切れる状態の貴重品であったので高価買取となりました。
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