美術品の中でも、絵画はポピュラーなジャンルです。作者が生まれた地域や時代によって画風や技法は異なり、価値にも影響を与えます。贋作も存在するため、売買には専門家による手助けが必要となるでしょう。
今回は、絵画を高価買取してもらうために最低限押さえておきたいポイントをご紹介します。
絵画の買取価格を決める要素のうち、まず大切なのが保存状態です。カビ、日焼け、シミ、損傷など、保存状態が良くないと価値は大きく下がってしまいます。
一般的には「日が当たらない場所」「急激な温度の変化が無い場所」「湿度が50~60%」「温度が18~20℃」などの条件を満たす場所が、絵画の保存に適した環境と言われています。また、定期的な換気も必要でしょう。季節によって温度や湿度が大きく変わる日本の環境において、絵画の保管には特に気を付ける必要があります。
また、絵画にとって日光は天敵です。紫外線によって紙に黄ばみや色あせが生じていても、徐々に変化していることに気が付きにくく、ようやく気付いた際にはすでに修復が困難という場合もあるかもしれません。
多少の汚れや痛みであれば修復することも可能ですが、修復不可能なほど痛んでしまった場合は、どれだけ価値のある絵画でも買取価格が付かないことがあります。絵画の価値を守るためにも、保存状態は重要なポイントなのです。
絵画の価値を見極める際、「作者」と「描かれた時期」は重要です。絵画の金額的な価値は、一般的に作者の名前によるところが大きく、作者の生きた時代背景などによっても価値は変動します。また、作者が同じでも描かれた時期によって技法や画風が異なる場合があるため、同じ作者が同時期に描いた他の作品の買取実績を調べ、おおよその目安としても良いでしょう。悪質な買取業者を避けるためにも有効です。
作者だけでなく、絵画の歴史的・美術的な価値も買取価格に関係してきます。西洋画の場合、ヨーロッパを中心に流行した技法が多数あり、中でも「印象派」などは世界中で人気があります。日本画の場合は、浮世絵や水墨画が国内外問わず人気のため、高価買取が見込める場合もあるでしょう。
現在は贋作を見抜くための鑑定法がいくつもあり、本物と間違われることは以前より減ったと言えます。一方で、プロの鑑定士ではない一般の方が贋作かどうか見分けることは、いまだに難しいという側面もあります。
作風をまねた絵画を著名な作家の作品と偽って販売したり、高価な絵画を贋作だとして安く買い取ろうとしたりするケースもあるようです。無知な状態で高価な絵画を購入することは非常に危険ですが、同様に、無知な状態で絵画の買取を依頼することも避けるべきでしょう。
査定は「絵画の価値を判断すること」であり、鑑定は「絵画の真贋を判断すること」と言えます。査定の際に鑑定書が無い場合は業者で鑑定してもらうことも可能ですが、その場合は別途鑑定料が必要となるのが一般的です。専門家の鑑定書があれば査定の際のトラブルも避けられるため、事前に信頼できる鑑定士に鑑定書を書いておいてもらうことも考えておきましょう。
今回は絵画を高価買取してもらうために最低限押さえておきたいポイントをご紹介しました。
絵画売却までの流れをまとめると、以下のようになります。
1.絵画の保存に適した環境を整えて現状を保ちつつ、作風や技法などから作者を推測。
2.作者に詳しい専門家に依頼して歴史的・美術的価値を含めた鑑定結果を出してもらう。
3.複数の業者に査定を依頼して最も高額なところを取引相手として選ぶ。
買取実績10万件以上の「いわの美術」では、多くの経験を積んだ専門の鑑定人が査定を行っています。査定だけのご依頼も承っていますので、お気軽にご相談ください。