絵画を美術品として買取に出す場合、「絵画の価値がどのような基準で決まるのか気になる」と考える方は多いのではないでしょうか。実際、絵画に値段を付ける際は、作者や年代・美術的な評価以外にも、複雑な要素が関係しているため、判断が難しいものです。そこで今回は、絵画の価値を決めるポイントについて、分かりやすい点を中心にご紹介します。
もし、ご自宅にどなたが描いたものか分からない絵画があり、どのように処分したら良いか困っている場合など、ぜひ参考にしてください。
美術品として優れているかどうかは、絵画の価値にも関わります。しかし、「うまい絵」「美しい絵」「美術的な評価が高い絵」が、すべて高値で取引されるかといえば、そうとも限りません。なぜなら、国や地域によってアートの文化を評価する基準は大きく異なる場合があるためです。もちろん、売買するときの価格面で「優れた絵画」が高く評価されることは一般的ですが、他の国や文化圏に行けば違う評価をされるケースもあります。
世界的に有名な画家の作品が、数億から数十億の価格で盛んに取引されていたのが、バブル期です。絵画の価格的評価は、作品そのものの美しさや素晴らしさの他、作品や作者の知名度にも大いに影響されます。例えば、ある人物が若い頃に描いたつたないデッサン画でも、その人物が世界中で知られる画家になった後で、驚くほどの高値が付く場合があるのです。決して傑作とはいえなくても、知名度の高い作家の作品であれば、高値になります。
絵画などの美術品で、作品評価や知名度に加えて価格を左右する要素といえば、希少価値の有無も挙げられます。希少価値があるものとは、現代語で分かりやすく表すなら「レアもの」です。油彩や同じ作品が2点と作れないものは、他のジャンルより高額で取引される可能性が高くなります。リトグラフやシルクスクリーンの版画のように、版下を元に同じ作品を複数製作することができるジャンルの場合も、作者が刷ったオリジナルであれば比較的高値が付くでしょう。
あまり特徴のない、普通に美しい絵画が、億を超える価格で取引されるケースが時々あります。これは作品の評価や作者の知名度、希少性などに加え、「絵画の特徴と製作年代の関係」があるためです。例えば、現代絵画と考えればこれといった特色が見られない、一般的な技法を用いた絵だとします。しかしそれが現代ではなく、近世・近代など旧世代の作品であれば「当時はまだ生み出されていなかった技法」を用いた作品だとみなされるでしょう。今は普通の絵だとしても、当時は度肝を抜く新しいアートであったかもしれません。よって「希少作品」という評価が下され、思わぬ高値が付くこともあるのです。
今回は、絵画の価値を左右するポイントについて、4つご紹介しました。「○○が描いた作品」といわれ、大切にしまい込まれていた絵画を所持しているが、本当かどうか判断がつかないから売るには忍びない、という方は少なくありません。そのようなお悩みがあれば、信用できる骨董品買取店に査定を申し込み、見てもらうことも一案でしょう。もし、著名な作家の作品であることが分かれば、思わぬ高値が付く可能性もあります。
「いわの美術」では、絵画をはじめとした美術品、骨董品の他にも、さまざまなお品物の査定や買取を実施しております。ぜひご利用をご検討ください。