こちらのお品物は、中国の安徽省 涇縣 (あんきしょう けいけん)で製造されている千年の伝統を誇る手漉き紙であり、日本では画仙紙(がせんし)、中国では宣紙(せんし)と呼ばれています。
2009年にはユネスコの『人類の無形文化遺産の代表的な一覧表』にも登録されました。(Traditional handicrafts of making Xuan paper)
紙質は墨をよく吸収し滲みやかすれが独特で美しく、特に漢字作品には究極の書道用紙です。
千年以上継承されてきた書画などにはほとんどこの宣紙が使われているとされていることから、千年以上の耐久性が謳われています。
古い宣紙は大変貴重ですので、多少のシミや破れがありますがお買取りいたしました。
定められた原材料のみを使用し、安徽省涇縣で伝統的手法に基づいて漉かれた紙のみが『宣紙』と名乗ることができます。
主材料の青壇皮(せいだんぴ)と呼ばれる中国の一部に分布する落葉樹の皮と、砂地で育てた砂田稲草の茎を用いており、安徽省涇縣の非常に美しい渓流水も欠かせません。
工程は原材料の育成、天日干し、原材料の加工、紙漉き、乾燥、裁断など100以上あり、少なくとも2年かかり全て手作業です。
作業の中で最も特徴的であるのは紙漉きで、紙のサイズに合わせて複数人で呼吸を合わせて漉くことから、高い技術と鍛錬が必要になります。
このようにして制作された宣紙は
「蝉の羽のように軽くて薄く、雪のように白い、振るうなら絹織物のように声を聞こえない」と讃えられる程です。
何世代にも渡って口頭で受け継がれてきた宣紙ですが、文革期(1966~1976)以降は安価な物が好まれ大量生産化が進み品質が下がりました。
そのことから、それ以前の宣紙は中古市場で特に人気があります。
近年では以前の品質に戻すべく尽力し、近づきつつある工房も出始めたことから今後に期待です。
貴重な宣紙の中でも最高峰と言われるのは『紅星牌宣紙廠』によるブランド『紅星牌』となります。
紅星牌は更に厳選された原材料を使用し、少なくとも数年は経験を積んだ熟練職人のみが漉けるそうです。
紅星牌宣紙廠の経営陣は代々伝統的な工程と高品質を継承してきましたが、1990年代後半に刷新した経営陣は、時代の流れもあり作業の簡素化や原価削減を推し進めました。
その結果 紙質が劣化したと言われ、やはりそれ以前の紅星牌が絶対的な評価を受けており好まれます。
古い紅星牌は中古市場でとても人気が高いので、お心当たりの書道用紙をお持ちでしたら是非 無料査定をお試し下さい。