獅子は西域では昔より多く使われた文様で、太陽の力を宿していると信じられていました。
中国には聖獣として戦国時代ごろに伝来し、やがて邪気を払う魔除けの意味を持つ獅子の文様が定着しました。
獅子は陶器の絵付けにも用いられ、繍球と戯れる玉取獅子や、牡丹唐草と組み合わせた文様が多くみられます。
玉取獅子の文様に表される繍珠は、雌雄の獅子が戯れるうちに毛が珠になり、その中から児獅子が生まれるとされたことが由来となります。
たくましい男子に育つようにということや、子宝に恵まれることを願う意味がこもった吉祥文様となりました。
辟邪とは器物や建築物の内側に入り込んでくる邪霊を退散させるという目的で、邪霊を退散させる力を持つ善神とされる獣の面をとり付けることを言います。
辟邪は獅子の姿をしていて翼を持っています。中国では六朝時代より墓室を守る厄除け神として陵墓の入り口に石像を置きました。
辟邪と同じ性質を持ちます。北朝時代より唐・宋以後もこの装飾は続けられます。
隋と唐の鏡の背に使われ、雲や唐草の間で身をくねらせて走る姿をしています。