中国の各時代に画家や作家が制作した美術品は中国美術と呼ばれ、その独特な表現美が人々を魅了し、
世界的に高い評価を受けています。
中でも、年代的に古く美術品としての価値があるものを一般的に中国骨董と呼び、
ここ数年中国人富裕層の間で大変人気の品となっています。
どんな中国美術品が高く買取されるのか、こちらでポイントをご紹介いたします。
代表的な中国美術品と言えば、書画・絵画・陶磁器が先ず挙げられます。
書画:中国で文字が誕生したのが約3500年前。その後2000年前には筆と墨を使って文字が書か
れるようになったと言われ、その頃は実用の目的で文字が使われていましたが、
時代と文化の変遷により、文字が芸術の一つとして捉えられるようになり書画が
生まれました。
現在でも中国書画は美術品として定評があり人気のお品です。
中でも、呉昌碩・斉白石・王一亭は中国書家の三大巨匠と呼ばれ、
日本でもよく知られる高価買取が期待出来る書家です。
●呉昌碩(ゴ・ショウセキ)1844年-1927年
中国の清朝末期から近代に活躍。清代最後の文人と呼ばれ、
詩・書・画・篆刻に精通し、
「四絶」と称賛され、中国近代で最も優れた芸術家と評されます。
●斉白石(サイ・ハクセキ) 1864年-1957年
清末から中華人民共和国時代に画家・書画・篆刻家として活躍。
貧しい農家の家に生まれ、ほぼ独学で絵を学び才能を開花させた。
草花・虫・魚・鳥を得意な画題としていたが、特にニワトリとエビを数多く描きました。
高値で絵が売買されることから「中国のピカソ」とも言われることも。
1953年には「人民芸術家」の称号を国から頂いています。
●王一亭(オウ イッテイ)1867-1938
中国清代~近代の実業家であり書画家。名は震、号には白龍山人。
若い頃銀行員として働く傍ら、語学の習得に励み、その後商社や金融界で活躍し、
実業家として成功しました。大実業家としての顔を持ちながら、
若い頃より書画に強い興味を抱き、任伯年に師事。
また呉昌碩の画風の影響を色濃く受けています。
花鳥画・山水画・人物画を好んで描き、敬虔な仏教徒だったこともあり、
仏画も多く作品として残しています。
絵画:中国絵画は歴史の変遷と共に特徴も変化してきました。
中国絵画は大きく、人物画、山水画、花鳥画に分類されると言われています。
8世紀頃までは人物画が主体でしたが、その後は山水画が主流となりました。
【代表的な中国絵画作家】
(人物画)仇英(きゅうえい)、蘇漢臣(そかんしん)
(山水画)謝縉(しゃしん)、荊浩(けいこう)
(花鳥画)徽宗(きそう)、趙昌(ちょうそう)
陶磁器 中国陶器の歴史は大変古く、紀元前1,000年の頃には施釉陶器が作られていたと言われ、
この時代の焼きものを原始青磁と呼びます。
三国時代には青緑色の青磁、隋の時代に白磁が発達し、芸術品として全土
に陶磁器が普及していったのは宋の時代と言われています。
【時代により異なる特色】
唐…西アジアやヨーロッパの影響を受け異国情緒の雰囲気が漂う作品が多く作られています。
宋…芸術的に洗練されており、当時の貴族たちがコレクションしたと言われています。
元・明・清…西アジアの宗教の影響を受け、朱や金を使った豪華絢爛で国際色豊かな
作品が他作られました。
唐・北宋・明・清時代に作られた陶磁器は今も大変人気が高く、
高価買取が期待出来る作品が多いようです。
【中国陶磁器の代表作】
●景徳鎮…中国最大の窯の一つ。その歴史は1000年を超え、
中国の名だたる皇帝達を魅了してきました。
青白磁とよばれる青みのある白磁で名声を博し、
14世紀に染付磁器を創始し中国陶磁器の頂点の座を確固たるものにしました。
有名な窯だけに、大量に生産された歴史や偽物も多く出回り、
高価買取が期待出来る品は限られてきますが、100年以上前の物、
箱などの付属品の有無、また、元・明・清の時代のものは宮廷に納める為に
作られていたので品質が大変高く、希少価値も高いことから
高額な値段がつくこともございます。
●康煕官窯…清時代に景徳鎮に代わって栄えた窯。
粉彩という、石英の粉末と鉛を混ぜたものをベースに
さまざまな色料を使って、より絵画的で写実的な磁絵を描く
新しい技法を取り入れ称賛を浴びました。
康煕時代の名品は東インド会社を通して西欧諸国に広まり未だに
各地で珍重される品となっています。
中国富裕層に相変わらず人気の中国美術品。
1966年から10年ほど続いた文化大革命で、それ以前に作られた美術品が「古い価値観の象徴」とされ、多くの作品が残念ながら破壊されてしまいました。
当時日本やヨーロッパのコレクターたちは、中国の美術品や骨董品が壊されてしまわぬよう、大量の古美術品を買い占め自国に持ち帰った為、日本には良い品が綺麗な保存状態で残っている可能性があります。
現在中国政府は中国骨董品の海外持ち出し制限をかけ、1911年以前の文物、また、1949年以前の作家作品などは持ち出し禁止としています。なので、最近中国から持ち帰えった骨董品には殆ど価値が期待できませんが、昔おじい様が手に入れた美術品などは価値が期待できるかもしれません!
先にも述べましたように、中国美術品には偽物や工芸品が大変多く、本当に価値があるものを見極めるのは大変難しいと言われています。
これはどうかな?とお思いの中国美術品がございましたら、ぜひお気軽にいわの美術にご相談下さい!
経験豊富な査定員がお客様の大切にされているお品を拝見いたします。
先ずは、メールやラインなどでお写真頂ければ簡単に査定させて頂きます。
皆さまからのご連絡心よりお待ちいたしております。